2009.08.04

2004年6候補者の公開討論会

2004年6候補者の公開討論会

090804-SIA評論:衆議院選挙、候補者のマニフェスト作りと有権者の投票基準、何を基準に投票するか?

7月21日衆議が院解散され、総選挙は8月18日に公示、8月30日に投開票の日程で行われる。

主要政党のマニフェストは出揃い、各党候補者は走り回っている。各党のマニフェストの中身を吟味、分析することも大事であるが、本当の問題点は「なぜそういったマニフェストを各党が選び、提案しているのか」である。「将来を見据えた構想、政策があり、具体策としてのマニフェスト」であるのか、「世論調査を行い、世論の動向に迎合して人気を得るためにマニフェスト」が作られたのか?

世論後追いをする世論調査政治は、一見すると世論重視は民意の反映に見え、民主主義そのものであると見なす人々もいるのは事実であるが、実に危険な現象である。もし各瞬間瞬時の世論に従う事を持って、民主主義とするならば、国会に巨大なコンピュータを設置し、各国民は端末を身に付け政治を行えば良い事になる。かってはこういった制度は不可能であったが、パソコンですら膨大なデータを高速で処理することが可能となり、多くの国民が携帯電話(端末)を持つ現在、可能な事である。国家の経営である政治においても、ビジネスにおいても、教育においても重要なのは10年、20年を見据えた構想力、ビジョンである。現在日本社会で跋扈し、無責任な風潮を引き起こして入ると批判の多いワイドショー的な後知恵講釈的な政治は是非とも避ける必要がある。

有権者にとってその良い教材となる事例がある。2004年7月の参議院選挙であり、2005年9月の衆議院選挙である。この二つの選挙に私自身が当事者として立候補していたので、私は生き証人であり、公開討論会の場での各候補者の発言を記録し、憶えている。2004年7月参議院愛知選挙区の場合、自民、民主、共産の5候補者は何れも郵政民営化反対であった。私一人が郵政民営化賛成であった。所が、2005年の衆議院選挙、各自民党候補者は全て郵政民営化賛成に変身し、4年後の現在どれほどの議員が郵政問題に対して一貫したビジョン、政策を維持しているかハナハダ疑問である。民主党の議員においても、様々な政策において類似した傾向を示している。日本の安全保障問題、北朝鮮の拉致被害者問題、年金問題、具体的事例を挙げれば枚挙に暇が無い事態となる。

ここは冷静に10年、20年先を見据えた政治家を選び、将来の日本を託すべきと思う。そのためには10年前を振り返って見るのも一方である。

良きにつけ悪しきにつけ日本の政治をこの10年間引っ張って来たのは小泉純一郎氏である。小泉氏は自民党を「ぶっ潰す」といって総裁選に挑み、三度目に勝利した。彼の総裁選挙立候補の言葉通り、今まさに自民党は壊れようとしている。2005年の郵政選挙での圧倒的勝利以降、小泉氏の第三次内閣(2005年9月21日- 2006年9月26日 371日)も含め、この4年間、各総理大臣は何れも1年間しか政権を維持できなかった事になる。

安倍内閣(2006年9月26日- 2007年9月26日)366日、福田康夫内閣(2007年9月26日- 2008年9月24日)365日、麻生内閣(2008年9月24日-2009年9月1日?)が9月1日に新しい政権に取って代わられるとすると、343日となる。計ったように1年前後である。福田内閣は365日であるので1年と思われる方もいるが、この年は閏年であったので1日足りない。ここ1年の麻生総理誕生とその後の麻生降ろしの動きを見、振り返ってみると、この3年間、自民党の各議員は、党内政治においての保身と利権獲得、自らの選挙に勝たんがためにのみ自民党総裁を選び、引きずり降ろそうとして来た様である。

さてここで、8年前小泉純一郎氏の自民党総裁選勝利を報じた2001年4月22日の「010422-SIA評論:自民党総裁選分析」を参考に送り、識者の参考に供したいと思う。今まさに小泉氏の歴史的役割、「自民党ぶっ壊し」が最終場面を迎えようとしているのかもしれない。それにつけても残念なのは勇ましく、「自民党をぶっ壊す」として総裁選に立候補した小泉氏が、その後継自民党候補者として子息を立候補させる事である。(佐々木 賢治)

以下、2001年4月22日の宇田司郎氏の手になる「010422-SIA評論: 自民党総裁選:小泉氏勝利と衆議院小選挙区制度」です。



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