2010.02.23

2月26日開催 SIA経営フォーラム「米国報道に見るトヨタ車リコール問題」 2月24日日経夕刊広告

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100220-SIA評論:朝青龍とトヨタ車リコール問題とマスメディア (話題の公共性を考慮し公開)

2010年2月、今日本の注目を集めているのは朝青龍、トヨタ車リコール問題、バンクーバーの女子フィギュアースケートである。何れも国際的な事象である。ついては国際的な意思疎通、コミュニケーションといった観点から分析する。1月に触れた「来月から今後しばらくは、国際ビジネスに必要な人材、語学力、情報、交渉能力、その他ノウハウについて私共の経験とノウハウの一端を紹介したい。」と申し上げ、比較的分かり易い英語力について「読めザル、聞けザル、話せザル」、の問題点を指摘し一、二例を挙げたので、その事例を少し再現、付記し朝青龍とトヨタ車リコール問題とマスメディアに触れる。

「読めザル、聞けザル、話せザル」:日本人の英語発音の問題今昔
英語発音の問題については四半世紀前、私が米国ニュージャージー州のジョンソン・アンド・ジョンソンの医薬品部門企業、オーソ勤務時代に面白い経験をした。時は日本経済ブームが米国を席巻し、日本的経営論が大きく取り上げられていた1985年年末か1986年年初であった。米国PBSの経済ニュース番組マクニール・レーラー・アワーでソニー会長盛田昭夫氏がインタビューを受けていた。

盛田昭夫氏の発言には全てテレビ画面下に英語テロップ付きであった。「一般のアメリカ人には盛田氏の強いアクセントの英語では聞きづらい」との放送局の判断によるものと思われる。英語発音の重要さを示すエピソードである。

因みに、最近日米のテレビで直接聞いた著名日本人5氏「鳩山首相、ビートたけし、豊田章男、安藤美姫、石川遼」の英語発音を評価すると、一位 豊田章男氏、二位 安藤美姫さんとなる。(5人とも平均的日本人より英語力のある公共性のある方なのでご容赦願いたい。)

上記内容から会話能力の重要さを強調していると判断されたと思うが、実はさにあらず。本当に重要なのは読解力であり、英語の聞き取り能力である。読めない文章は聞いても解らないし、相手の言っている事が解らなければ答えられないのである。上記5氏の英語聴取能力について評価を自信を持って公表できる充分なデータを所持していはないので発言は控える。本格的な国際交渉、公聴会等のやり取りをするとなると「読めザル、聞けザル」は致命的である。

「国際化時代の情報落差とマスメディア」?:横綱朝青龍辞任
国際化時代といった言葉がもはや意味を成さないほど世界は一体化している。日々具体的事例に溢れているので、国際化教育は大変容易になり、かつ難しくなった。ここ一箇月の間に国際化時代を象徴する日本を騒がせた事件が二つ発生した。横綱朝青龍辞任と米国でのトヨタ車リコール問題である。

モンゴルの人々にとって朝青龍は英雄であり、現役力士中最高の優勝回数25回を数える。朝青龍の力士としての勝負に掛ける執念、気迫は多くの日本人も認め、人気も高い力士であった。日本の伝統文化である大相撲の力士には品格が求められる。しかし二十歳そこらの体力と技術を必要とする格闘技を行なう人々に品格を求める事自体に無理があるとの意見もあってしかるべきだと思うが、なぜかそういった声は少なくとも日本のマスコミからは聞こえて来なかった。

モンゴル国民の目から見れば納得できず、朝青龍引退を日本での外国人横綱イジメと見る報道があるのは私にはよく理解できる。モンゴルメディア、国民と同様な事例が日本で同時進行した。

「国際化時代の情報落差とマスメディア」?:トヨタ車リコール問題トヨタ車リコール問題である。米国メディア報道を通じて入手する情報に事態の深刻さを危惧していたが、ついに日本時間1月27日早朝「米国トヨタリコール対象8車種の販売、生産停止」との速報(米国時間1月26日ニューヨークタイムズ、ワシントンポスト特報:Breaking News: Toyota halts sales of 8 recalled vehicle models)を手にした。

2月20日現在は、トヨタの対応の遅れを日本のマスメディアも一斉に報じている。しかし、「現地メディアが伝える何人もの死者が出ていると伝えるトヨタ車の暴走問題:暴走中の車から死の直前に携帯電話で伝えられたパニックに陥った人の生々しい肉声情報」は日本のメディア報道からはほとんど何も伝えられなかった。

日本経済新聞は2月6日朝刊3頁目に「外資、標的になりやすく」といった見出し記事を「全社挙げ信頼回復」、「プリウス不具合」、「トヨタ社長陳謝」の見出記事の下に書いていた。日本を代表する経済紙としては軽率であり、朝青龍を巡るモンゴルの地元紙と同程度ではないかと危惧した。日本メディアによる「米国社会の日本企業叩き」といった報道姿勢、認識不足は、朝青龍やモンゴルマスメディアの認識不足と軌を一にしている。

現地、現物、現場情報の重要性:米国現地メディア報道の推移
この情報ギャップを危惧し、SIA情報で2月2日「100202-SIA情報 米国メディアに見るトヨタリコール問題」と題し、1月26日以降の米国メディア報道、特に1月28日のABCニュース報道を伝え、「問題のアクセルペダルのメーカー、米国インディアナ州CTS社の企画、投資家担当役員ミッチェル・ウォロースキー氏(CTS Corporation Mitchell J. Walorski、Director Planning and Investor Relations)のインタビュー発言はトヨタにとって致命的とも言える発言」と警告を発した事は記憶戴いていると思う。

ミッチェル・ウォロースキー氏のインタビュー発言は更に続き、「改善された部品の出荷を始めたが、実際には今回の問題を全面的に解決する物では無い。(That won't really fix the problem entirely)」、更にABCは、トヨタの部品供給企業すら「トヨタは今回の問題の根本解決には未だ至っていない事を認めている」と発言したと報じた。更に「トヨタも各種事故、人身事故がアクセレレーターによってもたらされたものではないと認めている。(They acknowleged they did not cause.)」と同氏の発言として報道された。

この1月28日の時点で全ては決した。米国トヨタの対応後手に回り、トヨタ自動車本社の対応は更に遅れ、2月24日米国下院公聴会への豊田章男社長出席へと至る。。米国世論動向を更に決定付け、致命傷ともなった報道があった。米国時間2月3日夜の米国ABC夜間ニュース番組(ABC World News with Diane Sawyer、日本時間2月4日朝)はアップルの共同創業者スティーブ・ウォズニアック氏の発言を報じた。彼は最新のプリウスのブレーキ問題について自らの新型プリウス車での経験を語り、「突如、ブレーキが効かなくなり衝突寸前であった。これはソフトの問題である。」と番組で証言。更に「トヨタ、及び米国運輸省にも連絡を取ろうとしたが上手く行かなかったので、問題の重要性からマスメディアに公にする事とした」と発言している。

この発言も含め、SIAが日本時間2月4日夕刻「トヨタ車リコール問題緊急フォーラム」において米国NBCニュースの米国トヨタ社長独占インタビュー内容を確認中、日本国内ニュースでプリウスのブレーキ問題に関してトヨタ自動車の品質保証担当常務役員横山裕行氏の「運転者の感覚の問題であってプリウスのブレーキには問題が無い。」と言った発言が飛び込んで来た。しかし、ほぼ同時刻2月4日日本時間夕刻には既に米国ニューヨークタイムズは「トヨタはプリウスのブレーキには問題があると述べた」(Toyota Says Prius Brakes Had Design Flaws)と報道。米運輸省道路交通安全局実務トップのロン・メドフォード氏が密かに来日しトヨタ自動車本社を訪問し問題点を指摘したのが昨年12月中旬であった事実を考えると致命的な対応の遅れである。

その後の日本国内の動きは、皆さんがご存知の通りであり省略する。ただし今回の一連の動きを見てトヨタの社内問題も勿論であるが、日本のメディアの問題点、弱点も見えて来た。

米国マスメディア、米国下院公聴会下院が追求するのは自動車の安全性であり、トヨタ叩きではない。トヨタ車の安全性、すなわち暴走事故発生後のトヨタの対応について問われている。この公聴会では、トヨタのトヨタ車暴走問題に対するこれまでの説明の矛盾点、及び米運輸とこれまでの対策について真正面から対応しない限り今回のリコール問題はトヨタにとって禍根を残す事件として記録される事になる。

英語発音を見る限り一位、二位に列挙した同じ名古屋出身、トヨタ自動車の豊田章男氏、安藤美姫さんが間もなく試練の舞台に立つ。両氏の健闘を祈る。


国際業務のコンビにSIA:ビジネス戦略、翻訳,通訳、語学教育のプロフェッショナルハウス

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SIAでは2月26日この問題を取り上げ講演会を開催します。

SIA経営フォーラム 2月26日午後6-8時
米国報道に見るトヨタ車リコール問題:米国会員公聴会
講演会場(連絡先)SIA
参加費 2千円(要予約)


佐々木 賢治
SIA Inc. Sasaki International Academy

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