2011.04.28

名古屋商工会議所 那古野2011年4月号 国際ビジネスのコンビニ、翻訳、通訳、語学教育のご相談は国際ビジネスのプロフェッショナルハウスSIA

名古屋商工会議所 那古野2011年4月号 国際ビジネスのコンビニ、翻訳、通訳、語学教育のご相談は国際ビジネスのプロフェッショナルハウスSIA

110421-SIA評論「2011-2020年の世界と日本 第五回:直面して初めて学ぶ歴史の真実」(一般公開日2011年4月28日)  ?東北関東大震災、福島原発問題に学ぶ、?今回の東北関東大地震を大げさに捉えるな!、?賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ

SIAの佐々木です。3月11日の東北地震・津波発生より、3月11日より起算して今日4月28日で7週間、49日が経過しました。1週間前4月21日に発行しましたSIA評論、「110421-SIA評論「2011-2020年の世界と日本 第五回:直面して初めて学ぶ歴史の真実」」を一般公開します。既にご存知の通り通常は会員購読者(年会費6千円)のみに電子メールで発行していますが、3月11日以降事態の重要性からSIAと繋がりのある関係者にも無料で配布していますので、必要の無い方はお知らせ下さい。通信先より外します。尚、以下の文は会員には1週間前に配布した4月21日執筆の物である点留意下さい。

110421-SIA評論「2011-2020年の世界と日本 第五回:直面して初めて学ぶ歴史の真実」

この一ヶ月、6週間を振り返る:忘却症の危険と歴史観
一ヶ月間合いが空くと、多くの実務家は日常業務に忙殺されているため、一ヶ月前の経験は実に不確かな闇に包まれる事が多い。昔からの庶民の知恵「人の噂も75日」はこの辺の機微を捉えた表現である。

この表現は江戸時代に起源を持つと言われ、その5百年前には100日との表現がある由。(江戸時代、1830年に書かれた『人情本・春色辰巳園』の中には「人の噂も七十五日」との表現があり、又14世紀の前半に書かれた『源平盛衰記』の中に「人の上は百日こそ申すなれ」と書かれているとの事。知泉より引用)時代と共に生活空間が広がり行交う情報が増え、大量の情報に忙殺される今日一ヶ月も経過するとすっかり忘却の彼方に包み込まれてしまう。絶えず情報を出し続ける事により職を食んでいるマスメディアは一週間もすると遥か昔の出来事となる。この健忘症が実は戦後の日本社会を誤った方向に導きつつあると危惧している。

東北関東大震災、福島原発問題に学ぶ
この事を改めて思い知らされたのが、3月11日の東北関東大震災であり、福島原発問題である。この検証として先月号のタイトルや見出しを、一度列記しその記憶を読者と共に呼び覚ます事は有意義と思う。3月22日執筆の先月号のタイトルは「第四回:見えない世界の激変と歴史の動き」であり、大筋として「変化と激動は常:想定外は、語るに落ちる無知の告白」、「最悪事は過ぎた、福島原発:心のゆとりが生む世界的視野と歴史観」、「進行中には見えない歴史的変化:地震予知に学ぶ民主化の動き」、「天災は無能な為政者にとっては処罰、天の怒り」と議論を展開した。

その中で?「3月11日午後2時46分以降、東北関東大地震により国内状況は一変した。3月22日現在死者行方不明者は既に2万1千を越えている。3月12日午後3時36分、東京電力福島第一原子力発電所1号機で水素爆発、建屋が骨組みを残し吹き飛んだ。この衝撃的な光景をテレビ画面を通じて目撃した多くの日本人を恐怖させ衝撃が走った。東北海岸に押し寄せる津波の衝撃的映像は世界中に瞬く間に伝わり、世界が注視する最中、テレビカメラの目前での1号機の爆発、建物の消滅。日本への渡航を禁止し、日本からの退避勧告を密かに出した国、駐日大使館も多かった。」と述べ、?「そもそも、近年の歴史を見ても阪神大震災(1995年1月17日)、関東大震災(1923年9月1日マグニチュード7.9、死者・行方不明者10万5千余り、家屋の全壊10万9千、焼失21万2千。被害総額は当時の国家予算の1年4カ月分)以外にも、日本領土、領海内でのマグニチュード7を超える地震はこの100年間の累積発生回数見ると、ほとんど毎年のように発生している事になる。」ことを指摘し、?「平和と国内安定をひたすらに求めた江戸時代250年の歴史と鎖国政策を打ち捨て、開国し近代化を進めた幕末と2011年3月末の日本は一面多くの国民にとって類似する心象風景にある。この幕末の動きが、19世紀当時唯一の有色人種国として独立を維持し、当時の国際社会で発言権を確保し、やがて第二次世界大戦を経てアジア、アフリカの植民地解放と独立をもたらす、世界史を動かす切っ掛けとなったのである。今回の地震を契機に生れる日本の国民意識の変化はやがて125年前と同様な動きを、日本、アジア、世界にもたらすのではないかと期待している。そのためにこそ、我々の存在意義があると確信している。」と結んだ。

長い引用で恐縮であるが、4月21日現在皆さんが知るこの一ヶ月の動きと照合戴ければ、少し現在の状況理解に役立つのではないかと期待して敢えて引用した。多くの日本国民の心象世界に置いては、まさに激動の激動の一ヶ月、6週間であった。

さて今回触れたいのは、3つの観点である。「?今回の東北関東大地震を大げさに捉えるな!?今回の事例に囚われすぎるな!?今回の事例で初めて学ぶ明治維新から第二次世界大戦敗戦の歴史!」である。以下各項目に触れる。

今回の東北関東大地震を大げさに捉えるな!
一部には、国難と捉え、又関東大震災に擬える意見がある。既に先月号でデータを提示し、上に引用した様に、関東大震災とは桁が違う被災規模である。死者数、経済的打撃、その他を省みて今回の震災は一桁低い被災規模である。1920年当時日本の人口は6千万人に達していない。現在の人口(127百万)の半数以下である。こう考えると当時の死者数(死者・行方不明者10万5千余り)は現在に引き戻せば二十数万人の死者行方不明者である。当時の日本経済への打撃は国家的経済力を考えるとこの震災の10倍を遥かに超えている。

こういった歴史的事実を全て忘却し、膨大な財政支出を当然視する動きや主張が散見される。一時的国民感情を利用し、便乗しようとする実に嘆かわしい態度である。

今回の事例に囚われすぎるな!
東北地区の悲惨は目に余るのは事実であるが、関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川)は傷んではいない。ただ大騒ぎしているに過ぎない。声が大きく、中央政府があり、人口が多くマスメディア、学者が多く居を据え大きく声高に叫んでいるに過ぎない。この結果が東日本震災、東北関東大地震といった表現になっているに過ぎない。実態は東北大震災である。後藤新平をもじり、「帝都復興院」計画を持ち出す輩がマスメディアにも政界にも多く騒いでいるが、今回程度の被害では屋上屋を重ね、一部の利権政治家の巣窟を作るだけとなる。先ずは現在の日本の国力、経済力を冷静に分析し、その資源、民間の経済活動、競争力を有効に活用する事によって東北の復活は充分に達成できる。こういった手法が実は将来の東北の活力の源泉となり新時代の東北の生み出す力となり得るのである。

今回の事例で初めて学ぶ明治維新から第二次世界大戦敗戦の歴史!
今回の福島第一原子力発電所を巡る東京電力の対応、政界の迷走、職業政治家の目に余る水面下での足の引っ張り合いを多くの国民は苦々しい思いで見つめて来たと思う。地震発生、福島原発問題を過大評価することにより二大政党合併話まで飛び出した。大政翼賛会(1940年10月12日から1945年6月13日まで存在していた国粋主義的勢力から社会主義的勢力までをも取り込んだ左右合同の組織)、翼賛選挙(1942年4月30日に行われた日本の帝国議会(衆議院)議員の選挙)を髣髴させる動きである。

如何に歴史を愚弄する動きであるかは、識者には自明と思うが、当時のマスメディア、政党関係者、知識人の多くが諾々と受け入れた事も事実である。大東亜戦争勃発の14ヶ月前の動きである。一時的現象に惑わされる人の性、無知と安易な性向を思わざるを得ない。

歴史に学ぶ、今必要な事!
この程度の被害で「国難を叫ぶ」ようでは元々日本は滅ぶべき国である。今回の惨事の十倍、百倍を越える多くの不幸、国難を乗り越え今に至る日本の国民性、人的資源、歴史的に蓄積された国力に自信を持たない人々が売り物の愛国心を振り翳して叫んでいるに過ぎない。己が日本に自信を持ち信頼し、現実を冷静に見極め、東北地区再建、建設へ向けた施策を冷静沈着に進める事である。その主体となるべきはイタズラな復興援助ではなく日本社会の活力、競争原理を生かした施策である。しかし今回の惨状をもたらした政治、社会の欠落に目をつぶってはならない。壊れた建物、堤防の決壊を初めとし、多くの人命を奪い被害を拡大させた諸施設を徹底的に吟味し、これまでの公共工事の再評価を同時に行って行くことである。

関東大震災により当時の人口の0.2%の人命を失った。今回の地震により0.02%の人命を失った。無くなった方々にとっては唯一の命であり、肉親、知人にとってはかけがえの無い命であり慟哭に耐えないことは百も承知であるが、これにより日本が国難に陥るかと言えば、それはあり得ない。これまでに蓄えられた使い道の無かった(有効需要となり得なかった)民間資産を使い関東大震災後近代化の進んだ当時の東京同様に、東北繁栄への道を進むか否かは歴史に学び、如何に生かすかに掛かっている。

賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ
今回の福島原発、東京電力、政府、マスコミの対応を見るに付け、戦後一貫して馬鹿の象徴として揶揄、批判されて来た戦前の日本の軍部、政治家、官僚、日本国民が急に逞しく見え始めたとしたら、大方の人は経験を通じてしか学べない事を如実に示している。「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」との格言の正しさを改めて我々に教えている。威張りちらし、激昂し軍刀を振り回す、日米の鉄鋼生産高の違いすら理解できなかったと描かれる事の多かった陸軍関係者。多くの優秀な軍人がいた中、愚かな馬鹿な軍人もいた。愚かで無能力な人間ほど権力や組織を傘に威張り散らす。いつの世も変わらぬ真実である。現在テレビ画面を通じて目の前で見聞きする東電の対応、本来あるはずの福島第一原子力発電所自衛消防隊の姿は何処にも無い。思わず思い出したのは「第二次大戦末期、満州においてソ連軍の進撃を受けるや、関東軍の総司令官を初めとする幹部達の妻を軍人家族脱出組みの指揮者と仕立て上げ、真っ先に逃げた」と記録「脱出組みの指揮を取ったのは関東軍総参謀長秦彦三郎夫人であり、またこの一行の中にいた関東軍総司令官山田乙三夫人と供の者はさらに平壌からは飛行機を使い8月18日には無事日本に帰り着いている。」が語っているその姿である。

しかし、石油を初めとするエネルギー、重要物資が不足し、絶えざる空爆にさらされる中、食糧難に喘ぎながらも士気を落とす事無く、餓死者を生み出す事無く、世界中孤立無援の中、社会を安定維持し戦いを継続したその生き様も、また日本の歴史である。今回のこの程度の惨事でウロタエル日本社会を振り返り、冷静に見ることもまた、指導者に必要な資質であり、歴史理解の道である。(佐々木賢治筆)
**************

SIA評論講読ご希望の方は、SIAまで連絡下さい。年会費6千円です。


佐々木インターナショナルアカデミー:教育モットーと哲学

佐々木インターナショナルアカデミー:教育モットーと哲学

4月1日新事務所移転のご案内

〒450-0002
名古屋市中村区名駅3丁目23-6
第二千福ビル2階
052-566-5526, Fax & T 052-566-5528
桜通に面し1階AU携帯ショップ ナゴヤキャッスルプラザ向い
JR名古屋駅桜通口直進徒歩5分(約400m)
地下鉄名古屋駅下車3分 地下街ユニモール10番出口右前、12番側
佐々木携帯090-6464-5526(Softbank)

佐々木 賢治
SIA Inc. Sasaki International Academy
ちょっと困ったときの国際ビジネス、翻訳、通訳、語学教育のご相談は
国際ビジネスのコンビニ、プロフェッショナルハウスSIA!
佐々木インターナショナルアカデミーへ!
********************
国際ビジネス、語学のプロフェッショナルハウス
佐々木インターナショナルアカデミー
〒450-0002
名古屋市中村区名駅3丁目23-6
第二千福ビル2階
052-566-5526, Fax & Tel 052-566-5528
siabest@sun-inet.or.jp
http://www.sasaki-international-academy.com/
★ 語学教育、翻訳・通訳、国際ビジネスはSIA
********************



PHOTO

RSS2.0

login

a-blog cms