2013.09.21
130920 SIA-情報:歴史の追憶 宮沢賢治、ケネディー大統領
9月28日開催SIA土曜塾: 東京会場 学士会館:名古屋会場 SIA
東京 15-17時 全国調査からみた医療法人の経営戦略」 藤森氏
名古屋 18時- 「アベノミックスと消費税引上げ」水谷研治氏
SIA評論講読者募集中(年間6,300円) 2013年9月17日号見出
マレーシア報告:シンガポール繁栄のなぜ、時は金なり
参考記事:20011年8月22日号「2011-2020年の世界と日本 第9回:円高が示す日本の長所」円高を活かせ:京浜工業地帯三位に転落しても進む東京一極集中に学ぶ海外進出
SIAの佐々木です。明日から3連休、9月21日は宮沢賢治逝去80年、23日は暑さ寒さも彼岸迄と言われる秋分の日。
この間の、又10月以降に向けた翻訳、通訳、経営・海外戦略・人材・教育についてのご相談は佐々木迄どうぞ。翻訳も世界各国語に対応していますが、事前予約のある方、顧問契約先企業を除いてはこの週末の特急翻訳対応は出来ませんので、ご相談はお早めにお願いします。
以下公開で、「130920 SIA-評論:歴史の追憶 宮沢賢治、ジョン・F・ケネディー」送ります。10月より佐々木インターナショナルアカデミーでは宮沢賢治作品とJohn F. Kennedyの伝記読解(何れも英文原書)講座を始めます。受講希望者は連絡下さい(入学試験料12,000円、受講料6ヶ月90分20回 10万円)
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2013年9月20日号 SIA-評論:歴史の追憶 宮沢賢治、ジョン・F・ケネデイ
宮沢賢治(1896年8月27日 - 1933年9月21日)
明日は9月21日。宮沢賢治が亡くなったのが80年前の1933年9月21日。広い世界へ憧れを抱きつつも岩手を愛し、岩手を詠い、岩手花巻に生まれ花巻で亡くなった宮沢賢治はその地方性の故に世界的な存在となったと私は考えている。私のあるインドの友人は名古屋大学文学部博士課程で学んだ宮沢賢治の研究者である。宮沢賢治に関する論文を何本も書いている。
このため下手な事は言えないが、あの有名な「雨にも負けず」は、公開されることを意図しなかった自らの弱さの自覚に立つ自省を込めた詩であったと思う。
彼が童話と詩の世界に傾注したのも、現実と向き合う中で生れた”自らの弱さとどうにもならない現実”の自覚、ジレンマにあったと考えている。その宮沢賢治の世界が、詩人草野心平氏の努力もあり、死後日本国内の注目を集め、今や私の友人も含め世界中にその研究者がいる世界的な存在となった。その本当の理由は私には解らないが、詩と童話に”安らぎ”を求めた宮沢賢治の作品群が世界の人々に”安らぎ”を与えるからであろうと思う。
宮沢賢治(1896年8月27日 - 1933年9月21日)の生れる2ヶ月前、1896年6月15日に三陸地震津波があり、彼の亡くなる半年前、1933年3月3日に三陸沖地震が発生した。何れも大きな災害をもたらしたと伝えられている。2011年3月11日の東日本大震災の悲惨な経験を経た80年後の今、又宮沢賢治の世界が人々に癒しを与えている。
John F. Kennedy(1917年5月29日−1963年11月22日)
50年前の1963年11月22日、日本時間23日(勤労感謝の日)米国大統領ケネデイが暗殺された。その当日は1964年の東京オリンピックに向けた太平洋を跨いだ歴史上初めての公開テレビ衛星生中継放送日であった。私は休みで遅くまで寝ていたが、ケネデイのファンであった姉が泣きながら部屋に飛び込んで来たのを憶えている。その記念すべき第一報がケネデイ暗殺の報であったからである。
そのケネデイ大統領葬儀の日(現地時間11月25日)、母ジャックリーン・ケネデイ夫人と並び、目の前を通過するケネデイ大統領の棺に敬礼する三歳の息子John F. Kennedy, Juniorの姿が世界中の人々の涙を誘った。二人は既に故人。その時、母に寄り添い気味に少し横を向きうつむきかげんであったのが、50年後駐日米国大使として2013年10月東京に赴任予定のキャロライン・ケネデイさんである。 望むらくは2020年の東京オリンピック開催を見届けて帰国戴きたいと願っている。(SIA評論 2013年9月20日 佐々木賢治)
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SIA評論は1994年より内部関係者に出していた評論記事を要望に答え、2000年より有料評論として電子メール配信を始めたものです。年間購読料6,300円です。講読希望の方は連絡下さい。
SIA評論講読者募集中(年間6,300円) 2013年9月17日号見出
マレーシア報告:シンガポール繁栄のなぜ、時は金なり
参考記事:20011年8月22日号「2011-2020年の世界と日本 第9回:円高が示す日本の長所」円高を活かせ:京浜工業地帯三位に転落しても進む東京一極集中に学ぶ海外進出
上記記事希望者に参考事例としてお送りします。希望者は名前、住所電話番号を併記の上メール連絡をお願いします。
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代表 佐々木 賢治 090-6464-5526(Softbank)
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2013.07.19
7月19日号SIA評論公開版です。SIA評論講読(年会費6,300円)希望の方は連絡下さい。
2013年7月19日SIA-評論:巧言令色すくなし仁:参議院選挙とデトロイト市倒産の現実
米国のデトロイト市が倒産、自己破産の手続きに入った。日本国の財政も厳しく、各地方自治体の財政も厳しいところが多い。まさに他山の石。(この点については7月20日SIA世界週間ニュース分析で現地マスメディア情報を紹介、分析します。時間11:50-12:50分:要予約、参加費千円)
日本では今選挙戦もたけなわ。各候補者、各党の公約、発言を聞いても今一つ何が言いたいのか解らないフレーズが多い。「誰でも一致できる社会福祉の水準と税負担」、「OO改悪反対」、「平和を守る」、「日本を良くする」、「高齢者に優しい、子供に優しい社会」といった言葉である。
何についてであれ誰でも改悪には反対である。人とは我儘なもので現状に満足している人は余程の君子を除き誰もいない。このため人は皆改善を目指す。こう考えると「OO改悪反対」は何もいっていない事になる。反面、人間として、社会として、国としてこれだけは何をおいても守らなければならない「モノ」があると思うが、これについて明確に語る候補者、政党は少ない。
さてキャッチフレーズに戻ると、同様な事が「誰でも一致できる社会福祉の水準と税負担」にも言える。誰もが福祉の拡大を叫び、税の軽減を叫ぶ。相矛盾する叫びである。こういった言葉に大人(有権者)が騙されると思うから政治家はこういったキャッチフレーズを多用する。矛盾という言葉が生れた、子供による鋭い質問が必要な時代になったのかも知れない。因みに矛盾は韓非子に出て来る言葉で改めて韓非子の偉大さを思う。
同じく古代中国の偉人に軍事戦略家で著名な孫子がいる。俗に孫子の兵法と言われる書にも「非武装中立で、平和を守ると叫べば平和が訪れる」とは述べていない。彼の著作をよく理解すれば、「周辺諸国に非武装中立を説き伏せ推奨し、それに従う国があれば戦わずして勝てる」、すなわち兵法の極意である事位は誰でも思いつく。しかし、さすがの孫氏も、そういった愚かな集団、国家が存在するとは夢にも思わなかったのであろう、そういった記載は私の知る限り孫子の何処にも書かれてはいない。
「日本を良くする」も、問題はどう良くするかである。「高齢者に優しい、子供に優しい社会」という呼び掛けにも誰も反対はしない。今の日本社会では建前論ばかりが優遇されるので、誰も反対できない。しかし、高齢者のために月々膨大な医療費を社会が負担し、かつ高齢者に手厚い保護を与え、子供にも税により手厚い保護を与えるとすると、その費用は誰が負担するかである。この点でも中国の歴史から学ぶことは実に多い。かっての中国は今の共産党支配下の中華人民共和国とは違い、多様な思想家に満ちていた。それだけに便利な警句や人材には事欠かない。高福祉推進を叫んでいる業界も政治家も、先ずは「 隗より始めよ」である。しかしこの場合の私の言わんとしている「 隗より始めよ」は、現代中国の高級官僚、共産党幹部の様なお手盛りをせよと言っているのではない。高齢者の高度医療を医師会を初め、医療関係者が先ず身銭を切り自ら率先垂範高齢者に奉仕する事である。
そうすれば、医療関係者の資金は瞬く間に枯渇してしまうので、誰でも不可能な事は解る。関係者が真っ先に逃げ出すであろう。ではどうすれば良いか? その先に実は解決策がある。(130719-SIA情報 佐々木賢治)
7月20,21日のSIA講演会、勉強会の一部紹介
20日13:00-14:30 SIA国際フォーラム「ラマダン:断食月」
18:00-19時半 SIA土曜塾:21世紀問題研究会(日本語講演)
公開講座 「中国研究:今後の中国経済と政治展望第一回」
7月21日13-14時 佐々木インターナショナルアカデミー
公開英語学習法セミナー:原書読解
7月20日開催「第839回SIA国際フォーラム&コミュニケーション講座」ではラマダンを取上げます。イスラム圏出身イスラム教徒が英語で講演します。受講生対象講座のためオブザーバー参加(参加費2千円、討論・質疑権無し)のみ可能です。参加希望者は事前予約をお願いします。
第839回SIA国際フォーラム&コミュニケーション講座
7月20日13-14時半 (自己紹介、講演・質疑共に英語)
ラマダン:イスラムの教えとラマダン
オブザーバー参加費 2千円(要予約:質疑権無し)
18:00-19時半 SIA土曜塾:21世紀問題研究会(日本語講演)
公開講座 「中国研究:今後の中国経済と政治展望第一回」
要旨:これまでの中国経済成長の要因分析と経済政策。中国経済の比較優位と社会主義政策、共産党支配の今後の展望
講師 佐々木 賢治 参加費 2千円
7月21日13-14時 佐々木インターナショナルアカデミー
公開英語学習法セミナー:原書読解 参加費3千円
世界の各宗教を深く理解するための英語講座「Thegreat World Religions」を7月20日朝10時-開講(受講料3ヶ月10週間5万円)
「米国社会:In the USA」、「Rich Porter's English Discussion」、TOEIC、TOEFL講座も土日に開催します。受講希望者は連絡下さい。
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2013.05.15
結論から言えば、橋下徹氏の発言について私は大局的に同意であり、支持する。各マスメディア、特にテレビニュース司会者、コメンテーターの発言を見て、「あまりな無知」に驚かされる。歴史的事実を知っての批判であるとすれば、「意図的言葉不足か、偽善的攻撃と隠蔽」を行っている事になる。ついては論評は敢えて避け、歴史的事実の幾つかを簡潔に列記する。
1. 当時日本社会では公娼制度が法律的に存在した。軍隊といえども社会の延長線上にあり、軍隊においてのみ禁止をする事は実に不可思議。(一般市民への被害防止策もある。)
2. 戦後占領軍進駐後、進駐軍兵士を対象にした公娼が存在し、又その衛生面(性病)での管理を米軍が行っていた事は事実である。(日本政府も米兵性犯罪防止のため積極的に協力)
3. この従軍慰安婦問題が取り上げられる度に問題とされる朝鮮半島においても歴史的に以前より公娼制度は存在し日本への併合により生まれた制度ではない。日本で公娼制度が廃棄されたのは1958年3月31日である。
4. 戦後日本社会では、特にマスコミ、知識人を初め人権を声高に主張した一部の人々は上記1,2,3、特に2について熟知しながら黙殺した。第二次世界大戦末期、終結後のソ連軍の数多くの婦女暴行を含む残虐行為についても同様であった。ソ連軍のこういった行為はヨーロッパにおいては一層悲惨を極め、ソ連軍が進行したドイツ地域、ベルリン等では戦後、その地域の女性に当時の状況を聞く事は憚られる伝えられたほどであった。
5. 朝鮮戦争当時、多数の従軍慰安婦が朝鮮半島に存在し、戦場にドラム缶で運ばれた事例もあると伝えられている。韓国軍、国連軍の容認、関与無しには不可能である。(注:公娼制度の下で関係者の諸権利を守り管理されていたのであれば、それ自体について第三者の立場でとやかく言うべきでないと考え上記2、5について情報は入手しているが敢えて仰々しくこれまで付言しなかったが、ご多分に漏れず違法犯罪的事例も多々ある。)
6. 従軍慰安婦問題の本質は「当時の公娼制度の下、経済的行為として公正になされたか否か?一部関係者が主張するが如く強制連行等、強要されたか否か?」である。政治的思惑、意図的事実誤認や正義の美名の下、歴史的事実を無視し、捏造した議論がなされて来た。
こういった、事実を知らず語っているのであれば、まさに「馬鹿の饒舌」であり、知った上で語っているのであれば「知識人の巧妙な嘘」となる。因みに現在米国社会では先週も「米軍内部における女性兵士レイプ問題」が大きく取り上げられている。平時においてすらこういった問題が頻発している。ましてや緊張状態にある戦時下には更に状況は悪化するものである。
現実社会は実に皮肉に満ちている。日本との歴史認識問題について米国で発言された朴韓国大統領が訪米中、随行員尹昶重(ユンチャンジュン)大統領府報道官がセクハラ問題で更迭された。在米韓国大使館インターン韓国系米国籍女性に米国警察宛に被害届を提出された結果である。尹報道官は5月10日に急遽帰国したが、この早期帰国は米国捜査当局の捜査を免れるために、尹報道官の上司の手配によるとされている。 この尹報道官はマスコミの元人気記者で抜擢された人物である。その人物がこういった桧舞台で堂々と婦女暴行行為を行った事自体、「この人物が日頃韓国国内で相当な行為を繰り返していたにも関わらず、大目に見られてきた証拠」と考えるのが庶民的知恵である。因みに韓国ドラマ、韓流ドラマにはこういった事例の話が満ち溢れており韓国庶民の現実認識を示している証である。(130514-SIA評論 佐々木 賢治筆)
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2013.04.10
130409-SIA評論:北朝鮮問題の回答と現状認識
SIA評論バックナンバー参考:2010年12月18日号
「2011-2020年の世界と日本:明日の指針と展望」
お早うございます。SIAの佐々木です。先週後半より北朝鮮問題について多々問合せを戴きましたので、2年4ヶ月前のSIA評論2010年12月18日号「2011-2020年の世界と日本:明日への指針と展望」を回答を兼ね関係者に送りましたので、一般公開し貴方にも送ります。その前に「北朝鮮の悲劇と現状」です。
130409-SIA評論「北朝鮮の悲劇と現状」
北朝鮮の現状を一言で言えば、「三代目の幼子がダダを捏ね、国を滅亡に導く危ない火遊びをしているが、その国内では吾身可愛さに誰も諫言する人がいない」といった亡国の事態です。
第二次世界大戦前の日本や、米ソ冷戦時代にソ連が現在の北朝鮮と同様な発言を発していれば、直ちに戦争状態となったと思われる。1950、60年代に中国は現在の北朝鮮と類似した発言を繰り返していたが、今の北朝鮮同様取るに足らない存在であったので、米国を初めとする西側諸国は比較的寛容であった。
現在の北朝鮮の常軌を逸した発言が通用するのも北朝鮮の弱さの故である。しかしこの事態が継続し、更にエスカレートしてくると世界世論の動向によっては、米国を中心とする西側諸国が軍事的制裁行為に踏み切ったとしても容認する雰囲気が生れる可能性はある。この事態を予見するだけの知性が北朝鮮の指導部に無いとは思わない。しかし、この事を指摘諫言する愛国心ある人物がいない所に現在の北朝鮮の悲劇がある。
金正恩が表舞台に登場した時、彼の写真とジョージ・オーエルのアニマルファームの挿絵の余りもの類似性に吾が目を疑ったものである。因みにこの本は佐々木インターナショナルアカデミー英語教材である。金正恩の絵姿は金日成に似せたといわれている。金正日も金正恩のこういった売り出しに策を練った一人のはずであるが、アニマルファームの挿絵が金正恩と瓜二つとは思いもよらなかったものと思われる。歴史とは独裁者にとって実に残酷であり、皮肉な物である。
以下、SIA評論2010年12月18日号「2011-2020年の世界と日本:明日への指針と展望」です。その中の「北朝鮮核問題:なぜ、北朝鮮は核武装に固執するか? その理由と可能な防止策はあるか?」をご覧下さい。
101218-SIA評論「2011-2020年の世界と日本:明日への指針と展望」
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21世紀に入り、早くも10年が経過した。この10年、21世紀はアジアの世紀である事を証明した10年であった。アジア諸国、特にアジアの人口大国中国、インド、インドネシアの存在感が強まった10年であった。
近代産業革命:規模の経済(Economies of scale)が推進したアジアの植民地化と成長
近代産業革命以降、交通輸送革命、通信革命により世界経済の一体化は革命的に進んでいる。先月号では、こういった認識、歴史観に基づき「イギリス産業革命時代(1760年代-1830年代)のイギリスと日本の高度経済成長期(1955年-1973年)の繁栄と照らし合わせ、その歴史から学ぶ時、明日へのヒントが見えて来ると思ってる。必要な事は、新しい視点と洞察力と新たな挑戦を行う勇気と行動力である。」と述べた。イギリス産業革命時代(1760年代-1830年代)、日本の高度経済成長期(1955年-1973年)を支え、歴史を動かして来た大きな要因は単に生産現場(工場)での産業革命だけでは無い。低価格で大量生産された物資を低コストで大量に運ぶ事を可能にした鉄道網拡大、鉄鋼製大型輸送船、更には自動車の普及と道路網の充実によってもたらされた輸送革命であり、又19世紀に生れ20世紀に全世界に普及し花開いた電信電話通信革命であった。
この事により当初は単なる生産現場での大量生産、低コスト生産に過ぎなかった規模の経済(Economies of scale)が全世界を飲み込み始めたのである。当初、先行者利潤を欲しいままにした欧米先進国諸国は、近代産業革命がもたらした富国強兵政策により、アジア、アフリカ、南北アメリカ大陸を軍事力で席巻し、世界に多くの植民地国を作り上げた。その、基本的メカニズムは資本主義社会の持つ競争原理、及びその競争を促進しかつ競争の結果更に強化された規模の経済(Economies of scale)であった。一言説明を加えれば規模の経済(Economies of scale)とは大規模生産の持つ経済性であり、規模を拡大する事による生産性の上昇、コスト低減を表す言葉である。
この究極の規模の経済(Economies of scale)、大規模生産の持つ経済性がこれまで約3世紀に渡り虐げられて来た世界の人口密集地、アジア諸国、特に中国、インド、インドネシアの存在感を高めているのは歴史の皮肉である。面白い事にこの三国は共に人口大国(国際連合の「世界の人口推計(2008年度版)」の推計に基づくと2009年推定で中国は人口13億53百万で第一位、インドは11億98百万で第二位、米国が3億15百万で第三位、第四位は2億30百万のインドネシアである。)であり、アジア中央部に位置している点で類似している。しかし、お互いの社会制度、経済システム、宗教は大きく異なり、躍動する混沌の中にある21世紀初頭のアジアを象徴している。注目すべきは、現在世界の注目を集めているこの三国が上記の点で相互に相違するだけでなく、それぞれその周辺諸国とも宗教的、文化的には大きく異なっている点である。
これまで、アジアの東端にあり、欧米植民地主義の拡大、欧米優位の文化意識にアジア最後の礎となって来た19世紀半ば以来の日本の歴史的役割は既に終焉したといっても良い。これがアジア、世界、日本の2010年末、2010年代初頭の時代風景である。この歴史認識に従い、今後数回に渡り分析を進めて行く予定であるが、先ずは愁眉の急を告げているかに見える問題点を指摘するに留める。
その問題とは北朝鮮の核、中国の民主化、両国の政治体制問題である。
北朝鮮核問題:なぜ、北朝鮮は核武装に固執するか? その理由と可能な防止策はあるか?
北朝鮮の核武装は対米カードと見られているが、私の見解は異なる。もう一つの大きな要因があり、その要因とは北朝鮮の金日成、金正日、金正恩と継承を目指す金王朝存続を掛けた対韓政策である。韓国の工業化、経済成長により北朝鮮は軍事的にも、もはや韓国に対抗できないだけでなく北朝鮮の民心も離れつつある。北朝鮮民心の乖離に対する金王朝の方策は現在手詰まりであり、このため独裁王朝維持の唯一の政策は対韓軍事対立の維持である。しかし軍事的対立の維持ももはや通常兵器による正規軍どうしの戦いでは勝利は覚束ない。この事は軍国主義国家であるだけに北朝鮮は痛切に自覚している。軍事的に残された唯一の対応策は核とゲリラ戦術である。金政権維持を究極目標として考えてみれば南北朝鮮対立により失うものの少ない北朝鮮、片や現在の繁栄を失いたくはない韓国国民。こういった状況の中にある両国。韓国にとっては中国の市場は失いたくはなく、又1950年に勃発した朝鮮戦争(1950年6月25日 - 1953年7月27日休戦))に加担した隣国中国の軍事的脅威。その存在感を韓国は意識せざるを得ない。しかし、経済、軍事両面で劣勢にある北朝鮮の世襲金王朝にとっては北朝鮮の核武装化は存続をかけた要件となる。
北朝鮮の核政策を放棄させる事は、現在の六カ国方式では不可能である。米国の直接交渉も実を結ぶとは言えない。現在、アフガニスタンに兵力を取られている米国。1990年代以来の米国軍事力の現実と、米国軍事戦略思想から見ても二正面作戦は推進しない事を北朝鮮政府は賢くも熟知している。こういった環境の中、頼みとされている中国も原状では影響力を行使するとは信じ難い。米中共に自国の安全保障上の問題、更には政治的犠牲を冒してまでの対策は取らないからである。こういった状況がクリントン政権以来約20年、北朝鮮核問題が未だに解決しない理由である。日本にはこの状況を打ち破る可能性のある方策が唯一可ある。日本の北朝鮮核開発防止策とは、日本は唯一の被爆国であるだけでなく、世界三大核大国(米、露、中)に国境を接し囲まれている唯一の国である現実に立脚すれば自ずから明らかとなる。
日本が世界に向け「北朝鮮の核武装の暁には日本も核武装する」と明言することである。「北朝鮮が核武装し、核弾頭を搭載したロケット技術を開発する前兆が見えた暁には、日本国民の安全確保のため日本は核武装を余儀なくされる。」と世界に断言し、その準備を進めることである。戦略上からも、またアジア、世界における覇権を目指す立場からも日本の核武装を一番恐れているのは中国である。このため中国の北朝鮮政策は劇的な変化を生むと私は見ている。北朝鮮が核武装し、核戦略を確立した暁には(既に確立されているとの見方も多いが)、仏の顔も三度までとの格言、庶民の知恵の産物通り、核武装すべきである。何ら対策を練る事なく60有余年を経て三度目の核被爆を被る事態が生まれたとしたならば、その時点で日本の政治指導者の不作為責任を追求しても時すでに遅しである。仏の顔も三度までとは、庶民の知恵である。その真意は「三度も同じ被害に会う人は、仏ではなく愚か者」の意味である。最後に北朝鮮の隣国、宗主国とも言える中国に触れる。
中国の将来と民主化:中国の民主化と中国連邦の崩壊
1949年10月中国の共産政権樹立から60年を経た今、変わりつつあるのが中国内部である。政治的な変化が内向し、ある変化が生まれつつあると見ている。前例がある。ソビエトである。ソビエト社会主義共和国連邦は、1922年に世界初の社会主義国として成立し、1991年に解体された連邦国家であるが、今の中国は単に共産主義独裁国家と言うだけでなく、チベット、内モンゴルといった本来中国とは言えない地域までをも中国と称する建前上の連邦国家である点も類似している。ロシアで共産政権が成立したの1917年。その崩壊に74年を要した。ソ連の崩壊をもたらした同様な要因が中国でも生まれており、同様な動きが中国でも進みつつある。2020年代半ばに中国の崩壊が訪れると見るのはアナガチ暴論ではなく、社会科学的な見地からも生まれてくる予見である。問題はこういった事態が生まれるか否かではなく、いつ起こるかである。問題はそれが早まるか、遅れるか、どう推移するかである。
こういった20年先を予見しつつ、世界を見通し、アジアを考え、日本の進むべき道を考える事が、現在に生きる私達に科せられた義務であると私は見ている。その際参考になるのが、前月号で触れた様に「日本を支え、押し上げて来た1950、60、70年代の高度成長期の成功要因と過去の栄光を一度見直し、過去50年、60年の時代の変化、世界各国との相対的関係を直視し、21世紀2010年現在の状況を正しく把握し、将来を見据える」事であり、それに基づき新しい取り組みを始める事である。それが日本のアジア、並びに世界への貢献であり、21世紀の道を開く事にもつながると確信している。
まさにこの10年、20年は狂瀾怒涛の時代となる可能性を秘めている。その潮目を読み果敢に対処することが日本社会としても、企業も、また個人としてもこれまで日本を我々に引き継いでこられた先達に報い、将来世代に引き継ぐ立場にある我々の責任である。以下次号。(佐々木賢治)
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2013.04.02
130402-SIA評論速報:「伯楽と人材:済美高校上甲正典、花巻東高校佐々木洋監督と菊池雄星、大谷翔平、安楽智大選手」
SIAの佐々木です。年度始め、新学期、新社員入社の時期であり、SIAの春期講座も4月6日より開講しますので、130402-SIA評論「伯楽と人材」速報を一般公開し送ります。
130402-SIA評論速報:「伯楽と人材:済美高校上甲 正典、花巻東高校佐々木洋監督と菊池雄星、大谷翔平、安楽智大選手」です。ご意見、感想をお知らせ下さい。
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130402-SIA評論速報:「伯楽と人材:済美高校上甲 正典、花巻東高校佐々木洋監督と菊池雄星、大谷翔平、安楽智大選手」
第85回選抜高校野球の準決勝第二試合が現在行われている。愛媛県済美高校と高知県高知高校との四国勢どうしの戦いである。
数日前より突如マスメディアの注目を浴びているのが済美高校の2年生エース、4番の安楽智大投手。今年のプロ野球新人で注目を浴びているのが大谷翔平選手。
岩手県の花巻東高校大谷選手のインタビューの受答え、又その先輩の菊池雄星選手の受答えを見ても、その人間的にも大変な能力を感じる。こういった二人の選手を育てた監督に多いに関心が沸く。佐々木洋監督である。
監督と言えば、済美高校の監督、上甲 正典氏は選抜初出場校を率い二度優勝している。愛媛県宇和島東高校と済美高校である。その済美高校の二年生エース、4番の安楽智大選手が数日前より突如マスメディアの注目を浴び始めた。
伯楽という言葉がある。日本の高校野球界で見ると上甲 正典、佐々木洋監督は将に名伯楽であると思うが、その人材育成哲学、育成術に着目している。この両監督の一挙手一投足、選手指導法、哲学から何を学べるか注目して見つめている。
因みに上甲 正典氏がかって監督を務めた宇和島東高校は私の母校であり、上甲氏は高校の先輩。その出身地愛媛県北宇和郡三間町(旧名)は私の郷里北宇和郡広見町(旧名)の隣町である。
現在14時28分、済美高校と高知高校は5回裏、二対一の接戦である。
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