2012.12.03

121203-SIA評論:12月3日総選挙開始前夜に思う

SIAの佐々木です。いよいよ明日12月4日から総選挙です。この件に付き、公開で一文を纏め送ります。

121203-SIA評論:12月3日総選挙開始前夜に思う
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各党が様々な政策を掲げ選挙戦を戦っている。言葉一つで、勝てるとなれば誰でもが素晴らしい事を述べるは理の当然。これが解れば、美しい言葉、有権者の利益に迎合する言葉を信じて態度を決めるのは、決める方が悪い。

減税、景気政策のための政府支出拡大、福祉予算拡大で景気がよくなるのであれば、国の予算は自分のお金ではないので、気前よくバラ撒きを行う政治家に政治を任せれば良い。しかし、古代より、マキャベリの君主論で分析される西欧古代以来の歴史的記録のある国々の事跡を見ても、すべての国々は破綻している。現在の日本の経済状態が如何なる状態にあるかの分析なくして「減税、政府支出拡大、福祉予算拡大」を叫ぶ事は、痛風、肥満、糖尿病を患う患者に栄養豊かな過栄養な食事を強いる結果となる。バラ撒く当事者が最初に自らにばら撒く事は、別の問題である。

日本のエネルギー問題について「安定性、継続性、経済性、国の総合的安全性、将来展望」も含めた検討、分析を行う事無く結論を出すのであれば政治家は要らない。因みに私は原子力発電を支持している。

国に対して様々な要求を掲げる事は誰にでも出来る。しかし、その財源を誰が担い、無償で提供できるのか。国家公務員も、地方公務員も、又各種サービスを提供する企業も個人も全て対価、報酬を要求している。政治家、政党はそういった官公労、民間労働組合、更に企業、一般国民の自己利益を要求する人々の支持に依存している。ところが、その費用を負担するという人はいない。受益者負担無くして、成り立つはずがない。

不作為の責任
怖いのは、成すべき事を成さず、多大な損害を社会にもたらす危険性である。憲法九条を支持する人々に外国からの軍事侵攻があった場合はどうするかと問い質した事がある。無いと応える。太平洋戦争後も軍事衝突は続いており、無いはずはない無い。あったらどうするかの問いに対して、「無い」では議論にならない。子供の議論ではないかと問えば、シブシブ認めたのが、その際は逃げるか、手を挙げて降伏するという。

それでは、残された国民はたまらない。憲法九条維持を叫ぶ人々の多くが、沖縄駐留の米兵があれほどの被害を地域住民に撒き散らしていると声高に主張し、かつ外国の侵略、軍事侵攻は無いと答え、あった場合は逃げる、手を挙げて降伏するでは、侵略軍に現在日本に駐留する米国兵よりも紳士的態度を期待している事になる。しかし、こういった人々はなぜか北朝鮮拉致被害者については沈黙を守っている。不作為の責任を問われるのが怖いのかも知れない。中国、北朝鮮という軍国主義国家の人権抑圧についても何もいわない。

こういった論理矛盾に気付かない政党、政治家、人々を相手に議論する時、実に労力の無駄を感じる。米国駐留軍を減らすためには、自国の防衛力の強化が必要であると思うし、「日本を守れ、しかし他国の戦争に巻き込まれるのは嫌だ」では、どの国も協力はしない。子供でも解る話である。

こういった、初歩的な論理矛盾に気付かない人々が、自らを進歩的と称した時代は去ったはずであるが、一斉に拡声器を手にコーラスを始める時、絶望的な気持ちになる人、ほくそ笑む人、利権を求める人、事態打開のため立ち上がる人。しかし、その見分けが付け難いところに、今日の混乱があるのかもしれない。

そのための指針は論理的に考え、歴史に学ぶことである。第二次世界大戦前、戦意高揚、強硬論の先頭に立ち部数を伸ばしたマスコミが、戦後は一番の平和主義を掲げて来た。電力会社経営陣や労組とも関係が深く原子力発電に伴う利権をほしいままにしながら、真っ先に逃げ、突如原子力発電所反対の先頭に立った人。

こういった事例の枚挙に暇はないのが現実の人間社会であり、日本の歴史でもある。こういった事態に騙され続けるとしたら騙す政治家が悪いのか、騙したマスコミが悪いのか、騙されたと怒る国民が悪いのか? 2012年12月3日(佐々木賢治)
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佐々木 賢治
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