2015.01.23

150123-SIA評論:ISIS日本人拉致問題
2月23日19時- 東日本大震災講演会 東京学士会館
「東日本大震災における海上自衛隊の救援活動」
前横須賀地方総監(東日本大震災に従事)高嶋 博視氏

SIA国際フォーラム第916-919回予定:上級者対象
各国地域出身者の英語講演と質疑:3ヶ月税込64,800円
1月24日Brazil by Isis Amorim de Oliveira
31日ASEAN and its Partnership with Japan
2月 7日Introduction to Israel and its Environment
14日イスラム国(ISIS)


「イスラム国(ISIS)」と関係者とされる勢力による日本人二人の拘束と身代金要求交渉期限が本日1月23日2時半。既にその時間も過ぎたが、以下我々の見解をお伝えしたい。

その前に業務連絡です。例年、年度末に向かい翻訳その他急ぎの依頼を戴く事があります。アラビア語、ユダヤ語、ペルシャ語といった中東言語も含めあらゆる言語に対応していますのでお早めに連絡下さい。新年度の社員研修、教育受付中


150123-SIA評論:ISIS日本人拉致
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後藤氏の行動を高く評価する者として、悲痛な思いであるが、身代金支払には反対である。既に、SIA評論本年1月3日号でも情報提供し参考に供している様に、身代金支払は悪循環を招く。

西洋、中東の歴史を見れば捕虜、誘拐ビジネスが頻繁に行なわれて来た。この事についても、残念ながら日本のメディアや知識人には無知な人が多い。今回の事件を契機にそういった人々の無知が白日の下に晒されたが、自らの無知を隠蔽し責任逃れのために建前、理想論に終始し、何もしない評論家や知識人は困ったものである。事前にこういった危険性を知らせる先見や定見も無く自らの誤報や無知を隠蔽し権威維持のために辻褄を合わせようとするメディアが未だには多いのは実に困った存在であると常々憂慮して来た。

湯川さん救出に向かったと伝えられる後藤さんの残したメッセイジやこれまでの活動は、私の知る限りではシリア人、イスラム教信奉者も敬意を表し、感動している。その後藤氏を万一残忍なやり方で殺戮するとなると日本社会のみならず、イスラム圏も含め世界の多くの人々を敵に回す事は一目瞭然。そういった国際世論動向、政治情勢に疎いとするとISISの没落は目前に迫っており、年内には消滅の危険性に直面すると見ている。以上。佐々木 賢治
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1月24日-2月23日SIA土曜塾、SIA授業の一部告知


東日本大震災から間もなく4年。東京学士会館での公開講演会
2月23日19時-東日本大震災における海上自衛隊の救援活動」
前横須賀地方総監(東日本大震災に従事)高嶋 博視氏
参加費 2千円 要予約

SIA国際フォーラム第916-919回:毎週土曜日午後1時-
上級者対象講座:受講生募集中:3ヶ月税込64,800円
1月24日Brazil by Isis Amorim de Oliveira
31日ASEAN and its Partnership with Japan
2月 7日Introduction to Israel and its Environment
14日イスラム国(ISIS)


1月24日SIA中級時事英語討論:米国人RichiPorter担当
150124 Government Regulations for Bicyclists
The Japanese media reports that the government is finalizing new guidelines to encourage safer biking by bicyclists. In some instances an infraction could result in a fine. After attendees become more familiar with the guidelines, each will assess which: (1) should have the higher priority (2) would be the most fair and (3) show most promise of demonstrating effectiveness. In addition, are the regulations too many – or not enough? If the latter, what regulations are missing? This discussion will occur this Saturday at 3:00 PM.

初心者から基礎教育を行ない、世界と戦える人材を育てています。人材採用希望の企業も含めお問合せは佐々木までどうぞ。


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150103-SIA情報:人命尊重が増幅させる危険?:
中東紛争地2015年1月3日現地報告

此処のところ身の安全ということについて考えさせられる出来事が続いていている。本来のイエメン勤務から9月初旬フーシー派の首都制圧前にアンマンに避難し、状況の落ち着いた11月中旬イエメンに戻ったものの1か月少々でまたアンマンに戻る羽目になった。9月に避難した折の理由はフーシー派と政府軍が首都サナアで戦闘状態になった場合の被害を最小にすることが目的だった。特に政治的には中立の立場を取り、現場に居る外国人スタッフに欧米人の居ない私達(アフリカ系3名及び私)が直接狙われているわけではなく、むしろドサクサに紛れて略奪行為が起こった場合の懸念が主な理由だ。その為職員及び施設の安全にかかわる責任を負ったスタッフ2名を残して私ともう一名の外国人スタッフはイエメンを出た。もしこの安全担当が女性だったらどのような判断がされたかわからないが、残った2名は男性、そして退避したのは女性だ。

11月上旬首都の状況は落ち着いているとのことで私はサナアに戻ることを許されたのだが、この間も首都及び地方ではアルカイダとフーシー派の戦闘、南部の独立派の運動など事件は続いていた。ただ直接私たちの事務所宿舎が被害を受ける可能性が少ないと判断されたためだ。

予測できない危機 とはいえ私がサナアに戻ってからも治安状況は決して良い方向に向かっていたわけではない。地方ではアルカイダとフーシー派の抗争は続いていたし、南部の独立派、首都の反フーシー派のデモも続いていた。日本でも少し報道された12月3日のサナアのイラン大使の住居を狙った爆弾テロの現場は私の事務所から100メートルも離れていない場所だった。大地震を思わせる突然の爆音に一瞬事務所の建物が崩れるかと思ったほどだ。幸いスタッフ全員無事だったが、事務所の建物の現場の方向にある窓が被害を受けた。一応窓ガラスにはガラスの飛散を防ぐシートが貼ってあったため怪我人は出なかったが、窓の上にあるステンドグラスが一部粉々になった。伝統的にイエメンではちょっとした家の窓の上部には大抵カメリアと呼ばれるステンドグラスの飾りがあるのだ。このカメリアへの防護シートは張ることができず、手を打てないでいるうちに事件が起こったわけだ。一番被害がひどかった二階の部屋の窓は金属製の窓枠ごと落下した。現場近くの建物は今も窓ガラスが無くなった窓、湾曲した金属製の柵など爆発の爪痕がまだ残っている。この事件アルカイダが犯行声明を出したそうだが、情報源によって若干内容が異なるものの数名の死者と10数名の負傷者が出た。肝心の大使は不在で犠牲になったのは警備員の子ども、改修工事に来ていた業者と通行人親子という「運悪くたまたまその場に居た」一般人だったようだ。

また私たちにとってショックだったのは偶然パキスタンのペシャワールの学校をタリバンが襲撃し140名以上の生徒職員を殺害した同じ日、イエメンでもアルバイダ州でアルカイダがフーシー派を狙った爆弾テロを行った。彼らが標的にしたのはフーシー派の検問所だったのだが、現場をたまたまスクールバスが通り女子生徒が十数名死傷した。これも「運悪く事件に巻き込まれた」ケースだ。

私たちが直接標的にされていないとはいえ活動継続のためにはリスクを最小限にする必要がある。行動は控えめに、移動も最小限にし、その限られた移動もなるべく日時や経路を変更するなどの努力はしており、これで何かに巻き込まれたらそれは「運」だとしか言いようがないと思っていた。

しかしイエメンのアルカイダだけでなくイスラム国の拡大など中東での抗争が泥沼に向かう中で、私が「標的」になる可能性を持っているという判断が本部でなされた。知っていたことではあるが、改めて自覚させられたことと言っていいだろう。それが理由で私のアンマンへの再度の退避が決まった。日本人だということだ。

日本人であることのリスク なぜ日本人が狙われるかといえば「日本は人質に身代金を払う」という事実だ。本部責任者によればもイエメンでアルカイダの標的になるグループは高リスクのアメリカ、イギリス及びイスラエル、中リスクのイギリス以外のヨーロッパ、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、南アの白人、ラテンアメリカ、イラン、シーア派イラク人、湾岸諸国そして日本人及び韓国人、その他の国籍は低リスクになるのだそうだ。高リスクは言うまでもなく反アルカイダの姿勢を鮮明にしている国々、中リスクのグループには反アルカイダ的な立場をとる国と人質に身代金を払う国に分かれ、日本は後者にあたる。確かに20年ほど前カンボジアに駐在していた折日本大使館の方からも日本は身代金を払うことが知られているので誘拐される危険があるのを忘れないようにとの注意をいただいたことがあった。1977年のダッカ事件(日本赤軍による日航機ハイジャック事件、人質の身代金として660万米ドルが支払われ、超法規的措置により服役・勾留中の赤軍のメンバーが釈放された。)以来の日本の評判なのだろうか。直接私は記事を読んだわけではないが昨年12月1日のウォールストリートジャーナルの記事によるとイスラム国の人質の中で一番大きな割合を占めるのはフランス人で、これはフランスが身代金を支払うからだという。

日頃行動に相当な注意を払っているだけに今回本部の決定は大げさだとも思えるのだが、事が起こった時の影響・責任問題の大きさを考えると彼らの判断も仕方ない事だと納得するしかない。私にとって救いは、今担当している仕事はイエメンに信頼できるスタッフがおり、メールやスカイプで連絡を取りながらアンマンでもこなせるものがあること、そして短期とはいえイエメンに時々戻り仕事の調整や管理ができることである。ただこのためにかかる余分な費用も決して安いものではない。事件が起こることを考えれば安いものかもしれないが、安全は決して無料ではない。

自分と国を知ること 日本でも身代金目当ての誘拐はある。しかし以前何かで「身代金目当ての誘拐は割に合わない。」ということを聞いた。法治国家日本の警察の捜査・機動力も併せて考えるのならば「割に合わない」行為であり、大部分の日本人は自分及び家族が誘拐の標的になることなどまず考えないだろう。しかし世界の特に紛争地では誘拐はビジネス・あるいは自分たちの要求を通すための有効な手段だと考えているグループも多いのだ。そんな彼らにとって日本人は脅せば身代金を払う豊かな国から来た格好の標的と考えられても不思議はない。実際北朝鮮による日本人の拉致の一連の成り行きを見れば実は日本国内でもその危険は既に40年以上前からあったのだが、これを自分に起こりうることと意識している日本人がどれほどいるだろうか。

事故事件のニュースを見ると確かに「運」だとか「運命」というものは存在すると思う。しかし起こりうる事態を知り、不要な危険を回避、被害を最小限にする工夫努力をすることは責任ある大人として必要なことだ。ダッカ事件や北朝鮮の拉致事件が始まったころに比べれば私たちが海外に出る機会も、また海外から日本へ来る外国人も飛躍的に増えた。そんな中で好むと好まざるとにかかわらず自分の国がどのような立場にあり、そして自分たちがどのように見られているのかを知ることは重要なことだ。疑心暗鬼になって何もしないのはもったいない。しかし起こりうる事を想定し、安全を確保しながら仕事であれ観光であれ自分の目的を最大限に達成するバランス感覚を持ちたいと思う。(OG2003報告)
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参考資料写真2点は公開資料では省略
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