2010.04.23

世界に挑戦する企業、組織、人材を応援するSIA:翻訳、通訳、国際ビジネスのプロフェッショナルハウス

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「日本人海外留学生減少傾向と日本社会」についての評論、第三回(最終回)を掲載します。

SIA、佐々木インターナショナルアカデミーではこの問題「日本人留学生の漸減傾向、内向化する日本社会」問題について講演等引き受けます。関心のある方、希望される教育機関、団体、企業の方は連絡下さい。

100413-SIA評論:日本人海外留学生減少傾向と日本社会 第三回

過去の安易な行過ぎた海外留学への反省と日本社会の自立1970、80年代日本の大手企業、官庁のエリートと一部の裕福な家庭の子女が金に物を言わせて留学するといった風潮があった。日本経済が持て囃(はや)された1970年、1980年代米国の名門大学が日本の大企業、官庁の派遣留学生を優先的に受け入れていたのは「知る人ぞ、知る」話である。一部の大学は大学の周年記念や冠講座設立を名目に日本企業から寄付を募り(一部にはせびりに近い実態があったと伝えられる)、又日本企業も企業の威信を掛けて一人でも多くの留学生を金に任せて押し込もうとしていたのもこの時代である。

こういった数千万円の費用を負担してもらった派遣留学生が帰国後、一部は日を経ずして外資系企業に移り、又こういった人材が必ずしも活躍したり、活躍できたわけでもなかった事もあり、更に1990年代のバブル崩壊が追い討ちを掛け各企業の留学生派遣熱が冷めて来たのが1990年代後半から21世紀初頭の動きであり、現在に至っている。

さらに、今や日本社会が成熟し単に留学、洋行帰りだけでは評価されなくなった。すなわち日本社会の自立が私は留学生漸減傾向のもう一つの要因であると見ている。ここが韓国、インド、中国との違いである。もっと端的に言えば一部アジア諸国を除けば米国留学にこれほど熱中する地域はない。ヨーロッパ諸国を初めとする先進国ではこういった熱狂は無いのである。

論より証拠、参考に米国2008/2009学校年度国別留学生資料を列記すると1位インド(留学生数10.3万人)、2位中国(9.8万人)、3位韓国(7.5万人)、4位カナダ(3.0万人)、5位日本(2.9万人)、6位台湾(2.8万人)、7位メキシコ(1.5万人)、8位トルコ(1.3万人)、9位ベトナム(1.3万人)、10位サウディアラビア(1.3万人)、11位ネパール(1.2万人)となる。この上位11カ国で留学生の64%を締める。国別留学生数ランキングでベスト10にヨーロッパ諸国は皆無であり、ドイツがやっと12位で9.7千人と日本の三分の一、15位英国(8.7千人)、18位英国(7.4千人)となっている。他は25位のベネズエラ(4.7千人)まで何れも発展途上国である。

上述の資料が明示するように、はっきり言って米国に多数の留学生を送っているベスト10の国々は韓国、カナダ、日本を除き発展途上国である。一人当たり国民所得の高い先進国では日本はダントツの1位である。しかも、今なお人口比で見ればインドや中国よりも日本の方が米国留学者数は明らかに多く、急激な近代化に伴いここ二三十年前から留学熱に火がついた韓国、インド、中国とは日本の状況は異なるのである。成熟の証である。ジャパンパッシング(日本無視)を危惧する日本人を多く見かけるが、参考までに米国統計で米国から日本への留学生数を見ると意外にも2007/2008年度で5.7千人とその10年前より1997/1998年の2.3千人から2.5倍となっている。絶対数は微々たる数字ではあるが、黄昏(たそがれ)の10年と言われる過去10年米国から日本への留学生は増加しているのである。

日本が更なる経済的繁栄を求めるとすれば、「日本企業の世界進出」しかないと私は思っている。日本がもっと世界で評価されるためには「世界への挑戦」しかないと思っている。日本社会は積極的に「海外へ挑戦」すべきだと考えている。これが佐々木インターナショナルアカデミー開校の精神であり、SIA創業の精神として絶えず「世界への挑戦」を力説している私としては単なる留学生の漸減傾向にしか注目が集まらない今の状況を残念に思っている。

問題は留学者数の増減にあるのではなく、世界に日本自らの主張と旗を高く掲げ、挑戦する気概があるか否かである。ハーバード大学ドルー・ファウスト(Catherine Drew Gilpin Faust)学長の言葉「日本人留学生の存在感の無さ」は残念であるが傾聴に値する。(佐々木賢治)
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名古屋一番の大学院・大学留学実績:佐々木インターナショナルアカデミー

名古屋一番の大学院・大学留学実績:佐々木インターナショナルアカデミー

2010年4月24日午後6時より、一連の「日本人海外留学生減少傾向と日本社会」問題に関し講演会を開催します。留学に関心のある方は勿論、企業で人事部(採用、社内研修)、国際部の関係者、及び大学の関係者の皆さんお時間がありましたら是非参加下さい。

第128回SIA留学フォーラム 4月24日午後6−7時半
日本人米国留学生減少の背景:米国教育制度と入試制度
参加費 千円 要予約 講師 佐々木賢治 シカゴ大学 MBA

講演終了後 懇親会開催予定(参加費 2千円)

翌4月25日午後1時よりSIAOBフォーラム「英検一級合格者の報告」、その他下記の通り各種公開講座、学習会開催をします。お時間がありましたら参加下さい。


三猿追放:読めザル、聞けザル、話せザル

三猿追放:読めザル、聞けザル、話せザル

4月24日英語公開授業(参加費2千円)
10時 初級読解講座(基礎、初心者)
13時 経済思想史 (上級者)
15時 米国史?  (中級者)

4月25日 学習法講演会(参加費各千円)
10時 初心者対象英語学習法
13時 英検一級合格法:SIAOB 長谷川
15時 英語で学ぶ哲学、日本文化、歴史


現在に至る環境意識向上へと繋がった1962年世に出たRachel Carson(レイチェル・カーソン)のSilent Spring(沈黙の春)、及びスターリンの強圧的共産主義を批判し1945年世に出た文学作品George Orwell(ジョージ・オゥエル)のAnimal Farm(動物農園)等の原書読解講座を今期開講し、及び自然科学、社会科学名著読解の講座も準備中です。

佐々木 賢治
SIA Inc. Sasaki International Academy

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