2010.06.02

国際ビジネスのコンビニ、翻訳、通訳、語学教育のご相談は国際ビジネスのプロフェッショナルハウスSIA

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お早う御座います。SIAの佐々木です。鳩山首相の辞任が決定いたしました。

これを受け、参考に定期購読者に先月中旬配信しましたSIA評論、「100523-SIA評論:日本社会の公正と政治:日本の政治を変える道 自ら立候補するか、良い政治家を育てるか!」を一般公開で配信します。ご参考になれば幸いです。

かって、日本では「トカゲの尻尾切り」といった言葉が流行ったものです。本当の悪は捕まらず、下っ端のみが逮捕され、切り捨てられる政界の不正、犯罪組織の邪悪さを表現した言葉でした。この表現を米国勤務中に米国の経済新聞Wall Street Journalの1面の日本関係記事でChopping off a lizard's tailの表現に遭遇した時は「トカゲの尻尾切り」も国際的認識を得た物と思わず苦笑いしました。Chopping off a lizard's tailの表現に若干の解説を加える事で米国読者に解るほどこれは世界的現象である事を示しています。

さてここ4、5年日本社会では「シャッポ切り」現象が蔓延しています。特にその現象がはなはだしいのが政界です。「090804-SIA評論:衆議院選挙、候補者のマニフェスト作りと有権者の投票基準、何を基準に投票するか?」(SIAブログに掲載)でも指摘したことですが、次々と選挙対策のために党首を代える政党、「トカゲの尻尾切り」から「シャッポ切り」への変化。何も変わらぬ日本社会を象徴している様でもああります。因みにシャッポはフランス語(Chapeau:帽子)が語源ですが、自民党、民主党を問わず、現代日本の政党党首は脳味噌の無い帽子の存在に過ぎない事を問わず語りに語っているのかも知れません。

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100523-SIA評論:日本社会の公正と政治:日本の政治を変える道 自ら立候補するか、良い政治家を育てるか!

 また選挙の季節の到来である。ぞろぞろと芸能人、スポーツ選手が顔を出し、連日記者会見を行っている。いずれも旬を過ぎた方々である点が気になるが、出る人が悪いのでもなければ、引っ張り出す政党が悪いのでもない。ただ思惑があるだけである。得票数が多い政党が議会多数派を構成し政権の座を占める。得票数の多い人が議員となり、地域代表となる。これは民主主義の原則であり、この多数決原理にしか国民主権はあり得ないので、短絡的に誰が悪いとも言えず、選挙制度が悪いとも言えない。

絶えず自らは決断することなく、行動、行為することもなく、批判を旨とする人々が何を言おうとも、犬の遠吠えに過ぎない。しかし、国民の生活と将来を託す政治である。選挙を経て選ばれた人々にのみ、国の舵取りを任せるのが代議制民主主義である以上、政権政党、選ばれた議員には多大な責任と、国の舵を切る決定権、それを遂行する予算権限、さらに大臣、首相ともなれば、行政指揮権、実行する官僚組織が与えられる。

 制度は制度として理解しこの現実を考えると、各政党の選挙対策、票集めのための候補者選びは解る。しかし、さはさりながらである。それに対する唯一の対抗策、日本の政治を変える道は、自ら立候補するか、良い政治家を育てるしかない。

 英国の歴史に残る名宰相といわれるウィンストン・チャーチルは1947年11月11日の英国下院の演説で、「民主主義は、これまで歴史上折々に人類によって行われて来た他のあらゆる政治制度を除いては、最悪の政体である」(Democracy is the worst form of government, except for all those other forms that have been tried from time to time." (from a House of Commons speech on Nov. 11, 1947)と述べたと伝えられている。実に含蓄のある言葉である。特にこの発言が高く評価されるゆえんは、チャーチルが第二次世界大戦中、1940年から英国首相として英国を導き、英国勝利を確定させた1945年7月の英国総選挙で敗北し、政権の座を追われた野党時代にこの発言を残したことにある。その後、彼は51年に政権の座に返り咲いたが、民主主義、人間社会の政治制度の本質を一文で表した、まさに名言である。

第二次大戦末期の連合国指導者の命運
 少し脱線して歴史の皮肉について触れる。ドイツは四五年五月八日に降伏。米国大統領ルーズベルトが保養地ウォームスプリングにおいて脳出血で亡くなったのは、その一ヵ月ほど前の同年四月十二日。ちなみにその死の床に付き添っていたのは、第二次世界大戦後も国母として慕われたルーズベルト婦人エレノアー・ルーズベルトではなく、米国民が「あの女性(The Other lady)」と呼んでいた女性、彼の愛人と伝えられるLucy Mercer Rutherfordであった。片やチャーチルは1945年7月5日から19日に投票が行われた英国総選挙で敗北し、7月27日に首相の座を降りている。日本の敗戦に多大な影響を与えたポツダム宣言が発せられたのはその前日7月26日ことであった。

 ポツダム会談はドイツ降伏後準備され7月17日から8月2日にかけてドイツのベルリン郊外ポツダムで開催された。しかし会談中にチャーチル率いる保守党がクレメント・アトリー率いる労働党に敗北した事が確定したため、チャーチルは同行していたアトリーに全権を委ねて帰国。しかし、そのアトリーも総選挙後の政権準備のために帰国し、米英中三国首脳の同意文書とされるポツダム宣言は、中国の蒋介石は最初から会談に参加しておらず、トルーマンが三人分の署名を行ったと伝えられている。

 開戦以来、日本は鬼畜米英を叫びルーズベルト、チャーチルの打倒を叫んでいたが、結果的に日本がポツダム宣言を受託した1945年8月14日には、既に開戦時の米英指導者は共に政権の座を去っていたのである。蒋介石も4年後の1949年には台湾への逃亡を余儀なくされている。

政治改革:有権者の自己責任と蛮勇の必要性
 さて本題に戻る。世評では7月11日と伝えられる今年の参議院選挙まで残すところ一ヵ月余り。いろいろと取り沙汰され、前述した通り、既に賞味期限を過ぎたと思われるスポーツ選手、芸能人候補者があふれている。政党の候補者選び、各候補者の識見、指導者としての資質欠如が今日の日本の政治的貧困の主因だと思う。公の精神がないため国家政策がなく、国家政策がないため国民一人一人の将来を考えた政策が打ち出せず、利権と保身と票数えの政策となる。

個人の挑戦:可能性と限界
 実は私は2001年、04年の参議院選挙に愛知地方区で立候補し、さらに05年の衆議院選挙では愛知四区から立候補した。一貫して年金問題、郵政民営化推進、教育改革、経済立て直し、日本外交の強化、憲法九条の改正を主張してきた。経済、金融のプロとして年金問題について当初より運用、管理の問題を指摘してきた唯一の候補者であり、北朝鮮拉致被害者問題は「日本国民の生命財産を守らない歴代日本国政府首相、政権政党、政治家の怠慢の象徴」であると批判し、政見放送でも金丸信をはじめとする政治家の朝鮮総連との癒着問題を指摘。一貫した政策を提示した全国でも数少ない候補者であったと自負している。

 しかし、こういった一貫した主張は、現在の選挙制度と時々の発言は伝えるがその検証をしないマスコミ報道もあり、時々の民衆世論に迎合的な各政党の選挙戦略とマスコミ報道の中で大衆への浸透がかなわなかった。私の力の無さもあるが、この一端の責任はマスコミ、又国民自らにもあると私は見ている。

 国政選挙に無所属で三度立候補し、選挙期間中も仕事を続けながら活動し、わずか30万円前後の選挙費用で毎回票を伸ばした人間として、日本の政治について率直な意見を披瀝する。日本政治の一番の問題点は世襲制度であり、二世三世が満ちあふれ、公の精神に乏しく、国政を私物化していることである。各党は話題集めに公募を掲げるが、公募とは名ばかり、自らの子弟、身内、縁故の跋扈(バッコ)である。政治家と有権者の関係があまりに自己利益中心となり国、社会、公正、平等の精神が欠如している。政治家が支援者の御用聞きとなり、政権の座に着くや露骨に国家予算を使って票を買うような予算編成をしている。これはどの政党も似たり寄ったりである。こういった事態を傍観し、長い物には巻かれろと静観するのではなく、叱声、罵声を浴びせる蛮勇が必要な時期に来ていると私は思っている。選挙戦の一標語として「チャレンジ・ザ・ワールド、チェインジ・ジャパン、既成政治にNo! 佐々木にイエス!」を使ったが、この6年前、9年前の標語は今なお新鮮に響く。裏を返せばこの10年日本の政治は変わっていない事の証である。

改革待ったなし:時間の無い日本
 私は今回の選挙戦に参加しないが、ぜひ将来の日本を念頭に投票をお願いしたい。良い人材がいないならば自らが立候補すべきだと思う。六年前、十年前からの候補者の政策、考えを検証し、一貫した政策と信念を持った日本国民に公平な、世界に日本の立場、国益を堂々と主張でき、世界のリーダーと渡り合える人物をぜひ選んで戴きたい。理由は至極簡明である。今の日本に労働組合であれ、企業であれ、財界であれ、宗教団体であれ自分達の仲間、私的利益を優先し、国家構想のない人を選ぶゆとりはないからである。

 日本の代表、首相が子供のように報じられ、又世界の侮りを受ける醜態をこれ以上見たくは無い。世界に主張を高く掲げ、その識見が高く評価され、日本が世界に侮られる事なく、尊敬される日本の指導者を選ぶ事は国民の責任である。
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三猿追放:読めザル、聞けザル、話せザル

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佐々木 賢治
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