2011.11.11

SIAの佐々木です。111110-SIA評論をTPP問題、農業問題の社会性を考慮し公開します。(年間契約有料購読者に昨日配信)

111110-SIA評論:TPP(環太平洋戦略的経済連携協定:Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement)への一視点
TPP参加問題は意外に難しい問題である。理由は国内の政治的対立ではない。TPP参加以前の経済問題に対する理解や視点が重要にも関わらず、今の日本に欠如しているからである。それゆえの騒動である。

TPPへ参加するか否かに関わらず、日本の農業の存続に大差は無い。又産業界にとってもどれほどの違いがあるか疑問である。

日本の産業構造と外交、政治経済的視点と国益
日本の産業構造から見て、参加しなければ日本企業の海外進出は加速され、中期的に見ると日本企業の海外進出にプラス要因ではないかと見ている。このため純経済的に見るとTPP参加が日本企業、産業の国際化にプラスかマイナスか微妙な問題である。この様に見ると短期、長期的に見た国際社会における外交、政治経済的視点の方がより重要である。その上での日本の国益に合致するか否かが重要である。

さて農業ではどうか?
日本農業の現状は営農コストが高過ぎ、価格競争能力が無い事に原因がある。その高コスト要因は規模が小さいためではない。営農コストが高過ぎることに原因がある。即ち、農地代、肥料、農薬、農機具の何れを取って見ても国際価格に比べ高過ぎる。必ずしも人件費の問題ではない。営農知識、技術、ノウハウに応じた人件費であれば高コスト要因とはならない。それは先進国の人件費と発展途上国の人件費を比較すれば明らかである。なぜ先進国の人件費が高くてもやっていけるのかを考えて見れば自明である。各分野の産業知識、技術、ノウハウにおいて優れている人材は生産性が高い人件費を払っても高コスト要因とはならないからである。

日本農業の存続のためには優秀な農民の能力を活かせる環境を整える事が何よりも重要である。国内では優秀な農民も営農コスト高(農地代、肥料、農薬、農機具等のコスト高)により、国際競争力を価格面では持つ事が出来ない。ではどうすれば良いか? その一手段として提案したいのは農業の海外進出である。考えて見れば明治以降最初の海外への人的進出は農民であった。日本の農業が海外進出を果たし現地で生産したものを輸入する形が現状では最善の解決策である。優秀な農業知識、農業技術の生産性を駆使し現地で生産性の高い農業を行う事である。自給率40%という事は裏を返せば、60%は海外から輸入している事になる。この60%の輸入農作物を日本の農民、農業法人が現地で生産し日本へ輸出すれば良い。これは近年多くの日本企業の中国進出、発展途上国進出の際の市場確保と同じやり方である。

農業の海外進出:現地生産、開発輸入の可能性と波紋
こういった農業展開を海外で行い、農業生産、国内外流通に伴うノウハウ、知識、生産性の向上を推し進める事が日本農業の本当の意味での維持拡大になる。更に現地国での農業生産性の向上に寄与し、現地国の自給率改善、外貨獲得にも寄与すれば意外な程国際社会で歓迎される。地に足のついた現地国と日本との経済の一体化にも貢献する事になる。まさに農は地域社会の本となりである。

ここで一部の関係者からは様々な障害を指摘する声が上がる事は百も承知しているが、現地国から見れば日本の資本が導入され、開発輸出により外貨が獲得でき、新しい農業技術が伝播し獲得できる。地下資源とは異なり農産物には資源枯渇は無い。このため継続的収入が期待できるので現在日本市場への農産物輸出に遅れを取っている国々では大歓迎される。既に日本への輸出シェアーの高い国では既存農業関係者、農産物輸出関係者が反対に回る事は避け難い。これも考えてみれば日本の食糧安保にとっては大変都合の良い事になる。なぜなら日本への農産物輸出国の分散化が図られるからである。こういった現地進出、開発型農産物輸入の動きに対しての反対は日本国内から沸き起こるであろう。意外に思われるかも知れないが既に崩壊していると言っていい食料自給率向上、日本の農家個数維持、農家保護で利権を得ているのは農協であり、農薬、肥料、農業機械メーカーであり、農業関係官僚、政治家であるからである。しかし彼らの内の多くもこのままでは日本農業の展望が開けずジリ貧に至る事は誰よりも知っている。このため一端動きが生じれば彼ら関係者の中からも積極的な協力が得られると確信している。
(SIA評論2011年11月10日号)

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